去年のお盆休み中に、別居中の夫に子どもさんを連れて行かれた事件で、ようやく、子どもさんがお母さんの元に返りました。お母さんからご相談をうけてすぐに、監護者指定・子の引き渡しを求める審判と審判前の保全処分を申し立て、10月中には、子どもさんの監護者をお母さんに指定し、子どもさんをお母さんに引き渡すことを命じる審判も保全処分も出され、12月半ばには、父親の即時抗告も棄却されました。
しかし、父親は、引き渡すことを拒み続けていたのですが、1月に入り、ようやく、お母さんに子どもさんを渡してくれました。父親にどのような心境の変化があったのか、わかりませんが、お母さんも私も、とにかくほっとしました。
別居した夫が母親の元から子どもを連れて行く場合、私がこれまで経験した事件では、その理由は、家を出る妻に子どもは渡せないという夫の親も一体となった家意識、自分は何も悪くないのに(そこが重大な問題ですが)妻が子どもを連れて出るのは許せないという妻に対する攻撃的な意識、子どもを連れ戻せば、いづれ妻も諦めて戻ってくるという妻を家に戻す手段とする意識、これらが混じり合っている場合などでした。
両親の離婚は、子どもにとっても、辛い体験です。子どもの心をさらに傷つけたり、引き裂いたりするようなことは、できるだけ、避けたいですね。